「道半ばではあるが、やりきった」-カタカナ的イチローの思い出とお礼の言葉ー

イチローが引退した 木曜日:人

どうも、非効率系ミニマリストのカタカナです。

いかがお過ごしでしょうか。

カタカナ
カタカナ

木曜日は人の話をお届けします。

イチローの思い出と引退について考えたことつれづれ。

スポンサーリンク

イチローが現役を引退する日

先日、イチローが現役引退を発表しました。

引退会見時の彼の言動は人々に深い感慨をもたらし、高い評価を得ています。

【全編】イチロー選手が引退会見「後悔などあろうはずがない」(2019年3月21日)
米大リーグ、シアトル・マリナーズのイチロー外野手(45)が、東京ドームで行われているMLB開幕シリーズの第2戦終了後に記者会見を行い、現役を引退することを発表した。【会見概要(1)】

正直、いまだに実感が湧きません。

イチローの思い出

イチローがオリックスに所属していた頃、1度だけ試合を見に行ったことがあります。
高校のクラスメイトがファンクラブに入っていて、チケットを取ってくれたのです。

その頃のイチローはアイドル的人気で、ファッションすら「イチカジ」と呼ばれでもてはやされていました。

それにしても「イチカジ」て。ダサいな。

 

とにかく大人気だったイチローを岐阜長良川球場まで見に行ったのです。

ミーハー心まるだしの女子高生数名、野球の知識はまるでありません。

野球を見に行くというより、アーティストのライブに行くような感覚でした。

 

私たちの席は3塁側バックネット裏。

イチローのポジションとは正反対の場所ですから、いくら小さい球場とはいえ、さすがに顔は見えません。

友人が持ってきたオペラグラスを代わる代わるのぞき込み、「本当にイチローだ!」ときゃあきゃあと大いに盛り上がりました。

カタカナ
カタカナ

今振り返ると試合を見ろと思いますが、岐阜の田舎に当代きっての大スターがやってきたのです。

これくらいの盛り上がりは当然といえます。

 

詳しい経過は覚えていませんが、試合は均衡していました。

2対1でオリックスがリード・・・というところで、イチローの最終打順。

三振だったと思います。

あらら残念と思っていたら、驚きました。 周囲の大人が帰っていくのです。

私たち同様、観客の多くがイチローしか見ていなかったのでした。

イチローのレイザービームを目撃

さらに試合は進み、9回裏、相手チームがヒットで出塁し、ホームランがでれば一発逆転の場面を迎えました。

ピッチャーがボールを投げます。

カキーーーーン!!!

バッターが思いきり振りぬく、大きな当たりでした。

同時にランナーは2塁から走りだします。

 

ぐんぐんバックスクリーンに向かって伸びるボール。

その先にはセンターを守るイチローがいたのです!!

彼は後ろの壁際まですばやく走り、ボールをキャッチしました。

すでにランナーは3塁を回ろうとしています。

 

イチローは大きく腕を上げたと思うと、力いっぱいホームベースに向かってボールを投げました。 (早すぎて、私には手元が見えませんでした)

投げられたボールはギュンギュンとホームベースに向かっています。

カタカナ
カタカナ

間に合うの・・・!?

スライディングするランナー。

もうだめだ! 誰しもそう思いました。

 

ランナーのスパイクがホームベースに到着する刹那、

バシン!!!

キャッチャーミットが大きな音を立てました。

 

アウトーーーーーー!!!

球審の雄たけびが響き渡った瞬間、球場はどっと歓喜と興奮の声に包まれました。
イチローがランナーを刺したのです。

キャーキャーと叫ぶ私たちの向こう側に、大きくガッツポーズをするイチローが見えました。

そう、のちに「レイザービーム」と呼ばれることになるイチローの捕殺。
いまでもありありと思いだせます。

あの瞬間をリアルで体験できたことは、私の数少ない自慢の一つです。

誰しも同世代の星が引退することは寂しいもの

それからイチローはメジャーリーグに移籍して活躍を続けました。

私というと、野球部の頃からイチローの大ファンで切り抜きを集めていた人と出会い、結婚しました。 今でものんきち(夫)の夢は「イチローとキャッチボールをすること」。

 

中日ファンである私の父はイチローを見るたび、恨めしそうに話します。

ドラフトの時、イチローは中日に入りたかったんやぞ。

それを中日が無視したからオリックスに持っていかれて・・・

あの時のスカウトと監督が・・・(ブツブツ)

 

1980年より先に生まれた人々は、イチローになにかしらの思いをいただいているのかもしれません。

イチローはまちがいなく40代の星です。

30代にとっても大スター。 50代以上にとっても頼もしい息子のような存在だったでしょう。

誰しも一方的に、まだまだ活躍するだろうと思っていたのです。
無根拠に「イチローは引退しない」とすら思っていたフシすらある。

 

どの世代でもいえることですが、同世代でMAX評価を受けた人の引退は単刀直入に悲しいものです。

自分たちの世代にはあの人がいる。 ばりばり活躍するあの人がいる。
若い頃は意識していなくても、年を重ねるにつれ、心のどこかで誇りにしていたと思います。

カタカナ
カタカナ

あの人がまだ活躍しているのだ、

だから自分たちもまだまだ活躍できるって。

だから、世代のよりどころになっている人が引退すると、どうしても自分たちの引き際を考えてしまうのです。私たちももうそんな年か、終わりが近いのだ、と。

おつかれさまではなく、ありがとう

しかし、イチローの引退は少し違いました。

ニュース速報をみて落ち込んだ人も、引退会見を見て少しは救われたかもしれないですね。

会見にはやりきった顔をしたイチローがいたから。

 

私たちがよく見る引退は「道半ば、無念・・・」感があります。

だから悲しい。 声をかけるなら「お疲れ様でした」だと思います。

 

でもイチローのように「道半ばではあるが、やりきった」に悲壮感はありません。
すがすがしくさえ思えます。

現役時代もさることながら、引退の言動を見てさらにファンになった人や 認識を改めた人も大勢いることでしょう。

自分がやりきったと思えるように生きればいい、もともと現役を引退したって終わったりしない。

難しいけどイチローはやってくれた。

だから、引退含めてイチローはかっこいい。

カタカナ
カタカナ

いいや、引退したから今こそ、イチローはかっこいい。

だからお疲れ様ではなく、ありがとうございましたと言いたい。

イチロー選手、本当にありがとう

高校生の私たちに興奮をありがとう。

のんきちに憧れと夢をありがとう。

父にぼやきの種をありがとう。

私たちの勝手な期待を背負ってくれてありがとう。

引退=かっこ悪いの概念をぶち破ってくれてありがとう。

全部まとめてありがとう!

そして、これからもよろしくお願いします!!

カタカナ
カタカナ

今日もここまでお読みいただいてありがとうございました。

それではまた明日。