どうもカタカナです。
いかがお過ごしでしょうか。
火曜日は50音で綴る食べ物の話。
今回は「や」。
「や」といえば、焼きそばパン
うわー、この連載もや行までやってまいりました。
ま行ではあまり感じないけど、や行になると急に終わり感が出てくるのが不思議ですね。
そんな訳で「や」のつく食べ物は、やきそばパンです。
私と焼きそばパンの出会いは中学生の時。
この頃、高橋留美子先生のらんま1/2のアニメが放送されるようになりまして。
主人公たちが通う高校では、お昼時間になると購買に生徒が殺到して毎日大混乱です。
中でも大人気ですぐに売り切れてしまう幻のアイテムが焼きそばパンでした。
そんな中、乱馬はひょいひょいひょーいと生徒を飛び越えて、いつも焼きそばパンを悠々とゲットするんですよ。
これにより、私の中で、
焼きそばパン = 大人気で手に入らない
焼きそばパン = るーみっくわーるど
という公式が誕生しました。
るーみっくわーるど的「焼きそばパン=青春の食べ物」という気配も感じていたように思います。
お恥ずかしながら、それまで焼きそばパンという存在を知らなかったんですよ。
小学生時代の近所のパン屋にも、ちょっと離れたパン屋にも、地元で人気のパン屋にも置いてなかったように思います。
置いてあったのかもしれないけど、カタカナ少女の目には入らなかったんでしょうね。クリームパンとかに夢中で。
とにかくカタカナの脳裏には、この世には焼きそばを挟んだ不思議なパンがあり、高校生になったからには食べなくてはならないものなのだと刻み込まれたのでした。
高校の購買の裏切り
そして迎えた高校入学。
いちばんの楽しみは何てったって購買です。
ついにあの伝説の焼きそばパンと出会えるわけですから。
いそいそと購買に向かったカタカナを地獄に突き落とす事実が待ち受けていました。
私の通う高校の購買はキオスクくらい小さい規模だったため、焼きそばパンを取り扱っていなかったのです。
さらに入学して1ヵ月後には購買自体が撤去されるという大惨事となりました。
こうこうせいって、せいしゅんって、こうばいでやきそばぱんをかってたべることじゃないのか・・・
青春を失ってしまった。
焼きそばパンへの憧れは、悲しみと共に私の中で封印され、すっかり忘れ去られてしまったのでした。
突然の出会い
時は流れ、カタカナ33歳。
その日は突然にやってきました。
引越し先の近所にある古いパン屋さんをふとのぞいてみると、
あれ?あの細長いパンはもしかして、焼きそばパンなのでは・・・・!?
20年前は触れてはいけない記憶だった焼きそばパンも、時は経ち、いつの間にかすっかり思い出に変化していて、特に気負うこともなく自然に買うことができました。
存在を知ってから手に入れるまで、本当に長かった。
一時期は「アニメと漫画だけの架空の食べ物で、実際には存在していないんじゃないか」とすら思った食べ物。おひとつ150円。
手に乗せてみると、ずっしりきます。
へえー、本当にパンに焼きそばが挟んである。
茶色い食べ物だなあ。
さて、憧れだった焼きそばパンのお味は・・・・
普通でした。
コッペパンと焼きそばの味。
なんだよ予想以上に予想通りの味やんかと笑いながら、むしゃむしゃと食べ。
購買で争っていた乱馬たちに思いを馳せ。
高校の購買で買えずに落ち込んだあの日を思い出し。
初めて食べるくせに、めぐり巡って懐かしい味がするような。
一口食べるごとに心の鎧が落ちていくようでした。
最後に
今では思い立ったときに焼きそばパンを買いに行くことができます。
実は人気があるらしく、売り切れていることもしばしば。
ないと思うと食べたくなります。
なるほど。やっぱり焼きそばパンって、乱馬の高校みたいに争って手に入れるもんなんだなあ。
私の中で、焼きそばパン=るーみっくわーるどの公式はまだまだ健在です。
今日もここまでお読みいただいてありがとうございました。
それではまた明日。