どうも、片岡カタカナです。
いかがお過ごしでしょうか。
火曜日は50音で綴る食べ物の話。
今回は「ど」。
地元の名物をよそで食べると
頼んでみたものの出てきた料理がイメージと違っていた、って誰しも経験があると思うんですよ。
メニュー写真や店頭のディスプレイと見た目が違っているとか。
意外と多いのが「故郷の名物を余所で食べると何か違ってて戸惑った」じゃないでしょうか。
故郷を遠く離れて幾星霜、たまにはあの味を懐かしむか・・・と思って故郷の名物を注文してみたものの、何か一味違って微妙な気持ちになってしまうんですよね。
ここは故郷じゃないのだから味が違って当然だよな・・・でもやっぱり違うんだよなあ、でも仕方ないんだろうなあ、でも○○名物と謳う限りは地元の味に近づけるべきなんじゃないかな・・・とか何とかぐるぐる考えてフラストレーションが溜まるあの感じ。
私にとっての「あの感じ」というと、どて煮なのです。
大阪の赤味噌に対するフラストレーション
私の故郷の岐阜美濃地方は、ほぼ名古屋と言って差し支えないくらい似通った食文化をしています。
当然のように赤味噌文化圏です。
先ほど、あの感じ=どて煮と書きましたが、正確に言うと、味噌関係全般を指します。
関西で食べる赤味噌味、全部何か違うんすよ。
近所の方に気に入ってもらえるように、関西風にアレンジされていくのは仕方ないこととは言え、やっぱり心のどこかで物足りなさを感じてしまいます。
関西の赤味噌系って、液体ぽくてサラサラしてるんですよ。
違うの。もっとドロッとしてて欲しいの。
味ももっと濃く甘く、それでいて渋くないと物足りない。
たまに大阪で味噌カツを食べても、故郷との距離を余計に感じる結果になってばかりです。
岐阜のどて煮は魔女の鍋風
私をいつもがっかりさせる大阪の赤味噌系。
その際たるものがどて煮なのです。
どて煮、ご存知でしょうか。
主に豚のモツを赤味噌でガンガンに煮た食べ物です。
私の中では、どて煮=一品飯屋のイメージになっています。
すんごい大きな鍋の中には、クツクツと音を立てて煮えている赤味噌ベースの茶色い液体。
もったりとしたほぼ個体みたいな液体の中に、串に刺したモツが縦の状態でぎゅうぎゅうに押し込まれています。
いったい何日煮込んだらそうなるのか、鍋の淵には水分が飛んで固まった赤味噌の土手ができています。こりゃ魔女の鍋か地獄の釜か・・・みたいなビジュアルなんすよね。
煮込まれた分だけしっかり渋いし、正直、赤味噌味のゴム食べてるみたいなんすよ。
でもそれが私の中のどて煮です。
それに比べて大阪のどて煮は色も薄く、味も薄く、渋くも甘くもない。
さすがに大阪で完璧な東海風どて煮は求めないですけど、それでも少々やるせない気持ちになってしまいます。
ややこしいことに、大阪にはどて焼きという料理がありまして(発祥はこちらの方が古いらしい)。
どて焼きには牛すじと白味噌を使ってるもんだから、どて煮と色々と混ざってしまって余計に中途半端な結果になっているようです。
最後に
大阪の人からしたら、大阪のどて煮の味が岐阜と比べてどうであろうと知らんがなと言ったところでしょう。
逆に、岐阜のお好み焼きやたこ焼きを食べて、何じゃこりゃちょっと違うぞ?と思うでしょうし。
お互い様ですね。
書いていたら久しぶりにどて煮が食べたくなってきました。
でも今の社会情勢上、大阪から岐阜に移動する訳にもいきませんし、しばらくは思い出の中のどて煮を楽しみたいと思います。
今日もここまでお読みいただいてありがとうございました。
それではまた明日。