どうも、非効率系ミニマリストのカタカナです。
いかがお過ごしでしょうか。
火曜日は50音でつづる食べ物の話。
今回は「ふ」。
ふぐ、神様からの使者
私、思うんですよ。
ふぐって、神様が人間に送ったメッセージなんじゃないかって。
え?魚のふぐのことですよ。怒ると丸くなるふぐ。
以前、このコーナーで「初めて食べた人」というお話を書きました。
「はじめて食べた人」にまつわるエトセトラ -食べて書いてまた食べる話26ー
どんな食べ物にも初めて食べた人が存在する、私はその人たちを尊敬するって話なんですけど、ふぐを初めて食べた人は100%亡くなっているはずです。間違いなく。
ふぐの毒は肝臓、卵巣をはじめ、種によっては血液や筋肉にもあるんだそうな。
言ったらほぼほぼ毒ですよ。
今は科学でどこに毒があるのか分かりますけど、昔の人は体張って調べるしかないじゃないですか。身は大丈夫だった、肝臓は駄目だ、精巣はいいけど卵巣は危険だって。
アウト部分が判明する度に誰かが中毒を起こしている、ひどい時は亡くなってる訳で。
縄文時代から数えたら、
ふぐ毒で何千人が亡くなっているはず・・・・
それでもいいから食べたいだなんて、ふぐの持つ魔性は底が知れません。
毒があっても食べたいふぐ
だって、経験値が溜まってどこが毒か分かるようになった、じゃあ安全な部分だけ食べようじゃないんですよ。
石川県には、「ふぐの子」っつー卵巣の糟漬けがあって。もちろん卵巣は猛毒。
その昔、どうにかして卵巣を食べようとした人がいたんでしょうね。実験に実験を重ねた結果、いつしか卵巣を食べられるようになったという・・・なんという執念。
3年間糟につけると毒が抜けるそうなんですけど、
なんと、どうして毒が抜けるのか不明なんだそうです・・・怖い。
科学的な理由なんて分からなくていい、毒のある部分だっておいしいなら食べたい。
ほんと、人間の欲望って限りがありません。
これまた猛毒の肝臓をあえて食べている人もいるとか何とか。
ふぐの肝、ものすごーーーーーーーーくおいしいんだそうで、中毒になって生死をさまよった人が「次回はうまくやる」と言ったなんて逸話も残ってたりして。
さらに大分では温泉水を使った無毒ふぐの養殖に成功したそうな。
ふぐをおいしく食べたい、安全に食べたい、
人間の食い意地が科学を発展させてきたのかもしれません。
ふぐ毒には解毒剤がない
それにしても、どうして人は危険を犯しながら、どうにかしてふぐを食べようとするのか。
ふぐの毒といえばテトロドトキシンです。
探偵モノでは青酸カリの次によく登場する毒ですね。
麻痺などの中毒症状がでてくるのは食べた数分後から2時間くらいの間、その後呼吸困難に陥るそう。体はしびれるけど意識ははっきりしているんだそうな(一説によると死ぬ直前まで意識があるらしい)
恐ろしい事に、テトロドトキシンには血清がありません。尿から毒が全て排出されるまで人工呼吸をして延命するしかないんだってさ・・・・
ロボットによる手術アシストが行われ、AIが患者の病名を診断できるこの現代において、そんなギリギリな治療法ってある???って思ってしまいます。
意識がはっきりしている=「ふぐ、食べてん・・・すっごくおいしかった・・・」って第三者に伝える時間があるってことじゃないですか。
この時間が、神様が人間に対してむけた試練に思えるんですよね。
死ぬ思いをしてまで食べたい、というより実際に死にかけてるというのに、それでも人の心を奪う食べ物、ふぐ。
それを見た人、聞いた人は、これいかなる美食かって気になるでしょ。
同じように体を張ってふぐを食べるようになる・・・・・
毒があるってのにこんな吸引力のある食べ物、おかしいじゃないですか。
アダムとイブが食べた知恵の実のように、神様が人間を試すために
ふぐを創造し、海に放したとしか思えません。
神様からメッセージ
私、思うのですよ。
ふぐの毒には血清も解毒剤もない、これ、神様からの「人間あんまり調子乗ったらいかんで」メッセージなんじゃないかとね。
どんなに偉そうな顔をしていても、人間はふぐの毒すら克服していない。
何でも出来ると思って思い上がらないこと、謙虚に生きなさいと神様が言っているように思えなくもない気がしてきませんか?
身と白子なら死なないと知り、喜んでいた人間。
そいつらはいまや卵巣を食べ無毒のふぐを生み出し、欲望は留まる事を知りません。
バベルの塔みたいです。
神様の怒りに触れて世界中の言葉がバラバラになったって話。
ふぐについて調子にのった人間が神様の怒りに触れる日がいつか訪れるのでしょうか。
その際の仕置きはなんだろう。
ふぐ料理店が全部雷に打たれて消える、とかかな。それだと山口県は消し炭になってしまうぞ。
食文化は人間の叡智であり、傲慢でもある。ふぐはその象徴。
ふぐを巡る神様と人類のチキンレースはまだまだ続きそうです。
今日もここまでお読みいただいてありがとうございました。
それではまた明日。